「考える」ということについて考え始めた人のためのブックガイド

僕自身「考える」ことについて考え始めたばかりの初心者です。
大学新入生などの役に立てば幸いです。
MediaMarker へのリンクが貼られている物はそちらにレビューがあります。

アンソニー・ウエストン「ここからはじまる倫理」

倫理的に考えるということを具体的に示してくれる良書。
哲学思考トレーニングと併せて読まれたし。

ここからはじまる倫理
アンソニーエストン
春秋社 ( 2004-06 )
ISBN: 9784393323045
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

佐藤望, 横山千晶, 湯川武, 近藤明彦「アカデミック・スキルズ―大学生のための知的技法入門」

アカデミック・スキルズ―大学生のための知的技法入門
佐藤 望 横山 千晶 湯川 武 近藤 明彦
慶應義塾大学出版会
売り上げランキング: 1137
大学に入ってから読んだ。「学び方を学んだことはないけど、学びたいと思っている人」にお薦めしたい。
伝統的な「大学での学び方」の紹介が主な内容。少しマニュアルっぽさがあるかも知れない。
最近は似たタイプの本が結構出版されているようで、スタディスキルの講義がある大学なら似たような教科書を使うことになるかも知れないから、そういう場合はそっちを読めば十分だと思う。
関連エントリ
知を鍛えるための手段を知る - 嘘日記(慣性)
アカデミックスキルズ読了 - 嘘日記(慣性)

苅谷剛彦「知的複眼思考法」

上で紹介した「アカデミック・スキルズ」がアプリケーションだとすれば、こちらは OS にあたる。ただし、単体でもかなり「使える」 OS だけどね。
内容は、所謂「ロジカルシンキング」や「クリティカルシンキング」の紹介であるが、具体的な事例を使って思考の流れをかなり詳しく解説している。
この本で紹介される思考の技術を実戦で使えるようになるまでの期間は短く、実用度の高さは「哲学思考トレーニング」をも上回る。

河野哲也「レポート・論文の書き方入門」

レポート・論文の書き方入門
河野 哲也
慶應義塾大学出版会
売り上げランキング: 308
レポートや論文のフォーマットの解説本。
非常に薄いので初めてのレポートを書く前に読むと良いかも知れない。
第 5 章の「注、引用、文献表のつけ方」が便利なのでリファレンス用に持っておくのも良い。
関連エントリ
河野哲也「レポート・論文の書き方入門」 - 嘘日記(慣性)

西研, 森下育彦「「考える」ための小論文」

小手先のテクニックに傾倒するのではなく、如何にして課題 ( 文 )と向き合うか、問題をどのように受け止めて私化するか、そして最終的に出てきた「イイタイコト」をどのように形にしていくか、という根本から丁寧に解説されている。
( 小 ) 論文を書く、とはどういうことなのかが分かる。
章毎に挿まれているコラムも興味深い。